口腔筋機能療法

パタカラというトレーニング器具を使った口腔筋機能療法をお勧めしています。
もともとは脳血管障害の患者さんの口腔リハビリ器具として歯科医師によって開発されたものですが、歯と唇の間にはめ、唇を閉じるだけの運動で、口輪筋・表情筋のトレーニングを行い様々な効果を引き出します。

小顔効果・顔のたるみ防止効果

口の周りの筋肉は頬の筋肉・目の下の筋肉につながっているのです。ですから口を開ければ筋肉が弛緩し、口を閉じれば筋肉が緊張するというように、閉じる時に負荷をかけることにより、唇の周り、頬、眼の下の筋肉を鍛えることが出来るのです。このことで余分な脂肪を燃焼し、弱くなっていた筋肉が強くなることでお顔を引き締めることが出来るのです。

いびきの改善

大きないびきをかく人の約半数は生活習慣病や突然死の一因である睡眠時無呼吸症候群を併発していると考えられます。
特に中高年のいびきは、その大半が睡眠時の舌根の沈下による気道の閉塞に原因があり、舌を支える口腔内の筋肉が睡眠時にもある程度緊張が保たれるようになれば改善してきます。唇のストレッチは現時点でそれを可能にする唯一の方法といってもよいでしょう。
従来いびきの原因は鼻と口が半々だと言われてきましたが、唇のトレーニングを行ってもらった結果、鼻が原因であることは非常に少ないことがわかりました。やはり口呼吸が大きな原因だということのようです。

アトピー性皮膚炎の改善

睡眠時の口呼吸により、起床時に口腔内・咽頭部の不快症状を発症するようになります。そのため、口唇閉鎖力の弱い幼児にはアデノイドや、アトピー性皮膚炎の既往のある幼児が多く、口呼吸がそれを促している可能性が高いことが考えられます。実際に唇トレーニングを行うことで、口腔内不快症状が改善し、
アトピー性皮膚炎などの免疫性疾患の改善が見られるようになっています。

脳血管障害の患者さんの口腔リハビリ

『パタカラ』による筋機能訓練の結果、言葉の歯切れが良くなり、口呼吸が鼻呼吸に戻りいびきの大きさもかなり改善されるようになります。
また、麻痺側の舌運動がスムーズになり、唾液の分泌も良くなり、咀嚼力も増加するようになります。左右の口腔筋のバランスも良くなり、義歯の安定維持にもつながります。また口腔乾燥症・味覚障害が改善され、食欲増進につながってきます。

地道にコツコツ

パタカラによる口腔筋機能訓練は、地道にコツコツ気長に取り組む必要があり、効果が自覚できるまでに数ヶ月かかるため、モチベーションの維持に努め、時々口唇圧計(リップデカム)で口唇力を測りながら、続けていかなければなりません。継続は力なりです。